Archive at Lunchtime: McGahern: Short Stories

 アイリッシュ・フィルム・インスティテュートのArchive at Lunchtime: McGahern: Short Storiesを見てきた。長編小説『湖畔』(That They May Face the Rising Sun)が映画化されたばかりのジョン・マクガハンの短編小説をもとにした短編映画2本の上映である。

 カハル・ブラック監督の'Wheels' (1976)は実家に帰る男の話である。実家には息子と折り合いのあまり良くない実父と継母がいる。かなりThat They May Face the Rising Sunに雰囲気が似ているが、それよりもだいぶざらざらして温かみがない作品である。なお、アイルランドアクセントがかなり強烈でダイアローグのうちけっこう聞き取れないところがあった。

 マイケル・オコンネル監督の'Swallows' (2000)は 'Wheels'よりだいぶわかりやすい話である。田舎のガルダで働いている警官が、土地の調査にきたアマチュアヴァイオリニストにパガニーニを弾いてもらい、自分も昔ヴァイオリンを弾いていたことを思い出す…というような話である。ただ、ちゃんとこのアマチュアヴァイオリニストに何か弾いてもらおうとするたびに邪魔が入るので全然落ち着いて音楽が聴けない。コミカルで警官の家で働く家政婦が完全に邪魔者扱いなのはちょっとどうかな…と思った。