SOAS東日本大震災東北音楽チャリティコンサート

 SOAS東日本大震災チャリティコンサートがあったのでそれに行ってきた。FOLK MUSIC JAPAN: a celebration for Tohokuというもので、SOASの尺八サマースクール(日本語ページもある)関係の催しらしい。入場料5ポンドのうち2ポンドは地震のために寄付される。前半はSOASサマースクールの講師陣による民謡と踊り、後半は木村俊介と小野越郎のデュオによる津軽三味線と篠笛の合奏。

 主催者のデヴィッド・ヒューズ先生はTraditional Folk Song in Modern Japan: Sources, Sentiment, and Societyの著者だそうで、着物を着て歌に解説に頑張っていたのだが、さいたら節(石巻の歌らしい)の解説の際に「この歌に出てくる日和山周辺は津波で今はすっかり…」という説明をしている途中に泣いてしまって、一瞬会場内はお葬式のような雰囲気に…なお客の半分以上は日本人、あとはたぶんロンドン大の関係者や日本人の友達に連れられてきた人がほとんどで、たぶん日本人はほとんど地震の時には日本にいなくてヨーロッパの報道にショックを受けた人々だと思うのでお葬式のような雰囲気も無理ない。

 前半は民謡なので、なんかあの独特の音階が苦手な私はよくわからなかったのだが(隣の人が「公民館みたい」だと言っていたがうちもそう思った)、後半の津軽三味線デュオはなんかプログレみたいですごかったな…サウンドも現代的というべきなのか複雑というべきなのかよくわからないがなんか民族音楽というには無国籍な感じで、「ツェッペリンが神話にハマってた頃のデモテイクです」とか「指輪物語のサントラです」とか言われてもおかしくないような…なんかあれは結構世界市場でも売れるんじゃないかって気がしたけど。

 と、いうわけで、民謡が全くわからない私でも楽しめたのだが、正直ちょっと長くて疲れたかも。前半は民謡でそれこそ公民館みたいな感じで楽しくだらーっと見られるのだが、後半は息もつかせぬスーパーテクニック津軽三味線でかなり緊張感があるので、ちょっと前半くつろぎすぎて後半集中力が持続しなかったかも。