笑うところはあるが…『メーヌ・オセアン』(試写)

 ジャック・ロジエ監督の『メーヌ・オセアン』(1986)を試写で見てきた。『アデュー・フィリピーヌ』同様、7月から始まる特集上映「みんなのジャック・ロジエ」の試写である。

 ブラジル人のダンサーであるデジャニラ(ロザ=マリア・ゴメス)はパリからナントに行く列車メーヌ・オセアン号に乗るが、車掌のル・ガレック(ベルナール・メネズ)とリュリュ(ルイス・レゴ)の言うことがわからず、車内でトラブルになる。弁護士のミミ(リディア・フェルド)はデジャニラを助けようとする。ミミは自分が担当する訴訟が終わった後、デジャニラと一緒にミミの依頼人のプチガ(イヴ・アフォンソ)がいるユー島に行く。ル・ガレックとリュリュも島にやってくるが…

 これも『アデュー・フィリピーヌ』と同じでヴァカンスを扱った映画だが、観光映画っぽさは『アデュー・フィリピーヌ』より少ない。いろいろ笑えるところがあり、『アデュー・フィリピーヌ』よりはわちゃわちゃした起伏のある映画なのだが、展開はけっこう似ている…というか、恋愛があまり実を結ばないところは共通性があると思う。ただ、今の視点で見るとデジャニラが「変な外国人」っぽく見えるのや、ミミがめちゃくちゃな弁護士なのもちょっと気になる(この作品に出てくる人はけっこうみんなめちゃくちゃで、一番ひどいのはプチガなのだが)。