テートブリテン「エドワード・マイブリッジ展」

 テートブリテンで「エドワード・マイブリッジ展」を見てきた。

 マイブリッジというと連続写真(スリット写真っていうんだっけ?シャッター写真?)の開発で有名な写真家で、馬が走る様子をとった例の写真が大変有名だが、この展覧会を見るとどうも普通に止まっているものを撮るのもうまかったらしい。最初は風景写真なんかをとって有名になっていたそうだ。連続写真の開発の前に撮ったヨセミテの写真なんかも展示してあったのだが、天地がどっちかわからないような独特な構図で結構魅力がある。やはり何でも基礎は大事だな…

 1870年代以降に連続写真を開発したらしいのだが、馬だけではなくいろんなものを撮っていたそうで、なかなか興味深い動きを撮った写真がたくさん見られる。展示品はヌードの人がいろいろ動くとこが多くて、これは時代の好みなのかそれとも絵画で人体を描くときとかに助けになると思ってそうやったのかはわからないのだが、しかしむしろヌードよりもばさばさといっぱい服を着た女性が飛び跳ねる写真とかのほうが衣ずれの微妙な感じとかがよくわかって見た目面白かったなぁ…ああいうのは服飾関係者にウケそうだと思った。

 キングストン(マイブリッジの出身地)の博物館にあったような模型や機械を使った連続写真の説明は少なかった。写真家というよりは発明家という感じだったキングストンの展示とは感じが違って、テートブリテンの方針はあくまでもマイブリッジを写真を撮るアーティストとして紹介することみたい。

 なお、マイブリッジは妻の浮気相手を殺してそのあとまんまと有罪を逃れ、子供を捨てたというひどい経歴の持ち主らしい。写真を見ていると本当に才能があった人なのだと思うのだが(写真のことはあまりわからないのだが見ているだけで非常に惹きつけられるところがある)、まあひょっとしたらキレやすくて付き合いにくいイカれたアーティストだったのかもねぇ…

 ちなみにミュージアムショップはここぞとばかりに初期映画とかについてのドキュメンタリーや古い映像のDVDなんかを売ってて、思わす買いそうになった…がやめた。初期映画ならたぶんカレッジにある気がするし…