エディンバラ旅日記(7)グラッドストーン・ランド&ジョージアン・ハウス〜古民家大好き!エディンバラ

 エディンバラの中心部にはスコットランドのナショナルトラストが管理している古民家がふたつある。ひとつはロイヤルマイルにある17世紀の商家グラッドストーン・ランド、もうひとつはシャーロットスクエアにある18世紀末に建てられたラモント家のタウンハウス、ジョージアン・ハウスである。

 まずはグラッドストーン・ランドから。

 あのグラッドストーンの親類らしい。

 外でブタがねてる。
 内部は撮影禁止なのだが、スコットランド独特の天井画のある商家で、とてもよく残っている。

 もうひとつのジョージアン・ハウス。外観はすっかり広場にとけこんじゃっててわかりにくい。

 ここも内部は撮影禁止なのだが、大変よく整備されていて素敵な家だった。地下でラモント家の一日を再現したすごい面白いビデオを上映してた。リッチなジェントリーであるラモント一族は19世紀初めにここに住んでいたらしいのだが、ビデオによると家長のジョンは「紳士なので働かない」ため、借金まみれで田舎の土地を売らざるを得ない状態になっている(ラモント家の方針としては、田舎の大邸宅よりも大都市のタウンハウス優先)。負債に悩むラモント夫妻の最大の関心事は長女を裕福な男と結婚させることで、夫妻はフランスとの戦争で武勲をたてて帰ってきた若い軍人と娘を結婚させるべく、舞踏会を開こうとしている…という、まあジェーン・オースティンそのまんまの世界。
 ビデオによるとこの時代には「見かけ(appearance)がすべて」であったため、ラモント夫妻はrespectableな暮らしを保つことに心を砕き、いろいろ気を使って社交行事やらなんやらを主催していたそうだ。全くの想像だが、オースティンの小説なんか読んでると18世紀末〜19世紀初め頃のブリテンというのは全く「どうあるかよりもどう見えるか」が重要なパフォーマンス上等の時代だったようなので、その点今とほとんど変わりないようにも思えて何か親近感が湧くところがある(オースティンブームはそのせいかも?)。

 そんなわけで古民家ふたつはとても面白かったのだが、ロンドンには市の中心部にこういう公開の古民家博物館があまりないのが残念である。ダブリンにはエディンバラと同様市の中心部に公開のジョージアンハウスがあるし、サウサンプトンにはチューダーハウスが残っているし、ソールズベリのモンペッソンハウスやバースのロイヤルクレセントなどもそれぞれ味があるのだが、ロンドンはロンドン大火のせいでチューダーハウスはかなり焼けちゃったはずだし、うちの知ってる限りではゾーン1にはジョージアンハウスとかの公開している古民家博物館はほとんどない(ちょっと郊外に遠出すればあるようなのだが…)。都市化されてなくなっちゃったのか、それともロンドンはリッチな街なのでそういう古民家が今でも私有物になってて公開されてないからなのかはわからないのだが、古民家好きとしては残念なことである。誰か、どっかロンドン市内でいい古民家知ってる人いませんかね?とくにジョージアンのタウンハウスで…(チューダーハウスは焼けちゃってないだろうと思う。燃えやすいので、最近も火事で地方都市の史跡が焼けたとかいうニュースあったし…)。


 おまけ:ジョージアンハウス前のシャーロットスクエアでやってたエディンバラブックフェスティヴァル。