神様女神様パティ様〜THE POET SPEAKS

 すみだトリフォニーホールで『THE POET SPEAKS』を見てきた。パティ・スミスが来日し、フィリップ・グラスと組んでアレン・ギンズバーグの詩を読む演目を上演するということで、とりあえずパティ・スミスが詩を読むところが見られる機会なんてめったに無いので勇んで行ってきた。

 前座でスミスの娘のジェシーとテンジン・チョーギャルの演奏があったあと、スミスとグラスが登場し、オバマの広島訪問に触れて原爆への批判をしてからギンズバーグ反核とか反戦のテーマが含まれる詩を朗読。ツバ吐きながら読むスミスがすごくワイルドだった。ただ、正直私はフィリップ・グラスの音楽はそんなに感動しなかったな…

 その後、グラスが休んでジェシーとレニー・ケイが登場、"Dancing Barefoot"をはじめとする数曲を演奏。レニー・ケイとパティ・スミスの共演は大変にエネルギッシュだった。こんなものが2016年に東京で見られるとは思わなかった。ちなみにスミスがちょっと歌詞をトチって謝っていたのだが、歌っている時は神がかりみたいな迫力なのに、謝るときは神様女神様パティ様が急に人間になったみたいで、えらく可愛らしかった。
 
 その後また詩の朗読があり、グラスの独奏などもあって終わり。最後は"People Have the Power"で盛り上げてしめくくり。


 朗読ではスミスの黒いイヌの詩と、あとギンズバーグの"Footnote to Howl"(Holy! Holy! Holy!)が良かった。スミスの声には独特の衰えない熱気がある。

 ちなみに夜の回は満員だったらしいのだが、私が行った昼の会はどういうわけだか私の前の席だけがらっと空いており(後ろはけっこう詰まっていたのだが)、私がネガティブなオーラでも出しているのかと思ってしまった。