字幕がかなり間違ってる~『クイーン ヒストリー 1973-1980』&『クイーン ヒストリー2 1980-1991』

 初めて吉祥寺アップリンクに行って『クイーン ヒストリー 1973-1980』と『クイーン ヒストリー2 1980-1991』を見てきた。2005-2006年に作られたクイーンのドキュメンタリーである。

 

 前編のほうは雑誌『ギタリスト』のコメンテイターがブライアン・メイが各曲で使ったテクニックを解説するインタビューなどがおさめられており、クイーンの独創的な音の使い方が技術の点からよくわかるようになっているのが良い。一方でやたらコメンテイター(全員男性)がクイーンのどういうところが「ロック」なのかにやたらこだわっており、このへんは今見るとかなり古いというか全くピンとこない(私はデスティニーズ・チャイルドもオアシスもごっちゃにして聴いて育った年代なので、そのへんにこだわりのはくだらなく聞こえる)。

 後編はフレディの病気や楽曲の自伝的な要素などに重点が置かれていて前編よりはバランスがとれている感じだったが、技術解説がなくなっていたのはちょっと物足りないところだ。

 

 あと、これは前後編両方に言えるのだが、字幕がかなり間違ってる。変換ミスや単純な誤字がやたら多く、一箇所などアルバム『戦慄の王女』が『旋律の王女』と書かれているところがあった。あと、「ショウ・マスト・ゴー・オン」について"show business song"だという解説があったのだが、これは「ショービジネスを主題とする曲」という意味なのだが、字幕が「娯楽曲」になっており、これでは意味がわからないと思った。「ショー・マスト・ゴー・オン」は完全にクイーンの自伝的な楽曲だというわけではなく、ショービジネスに携わる者一般の人生観とか哲学を歌った歌だ、という文脈の解説だったので、この訳はいただけないと思った。