『ノマドランド』(メモのみ)

 『ノマドランド』を見てきた。まだ決まっていないのだがこれについてはひょっとすると商業媒体でレビューをするかもしれないので、一応メモだけ書いておく。

フランシス・マクドーマンドの演技は本当にすごい。

・高齢者の貧困というものすごくネガティヴな問題と、アメリカの伝統的なホーボー文化に対する憧れというポジティヴな理想の交錯をあまり片方に偏らないように描いており、奥行きがある。→比較:『二十日鼠と人間』『イントゥ・ザ・ワイルド

・ヒロインのファーンはシェイクスピアと一緒に路上に出ている。

・ファーンには何度か定住のチャンスがあるが、定住しない→比較:『冬の旅』

・映画に出てくる放浪している女性はけっこう高齢者が多い→若い女性が少ないということに見いだせる意味(ファーンも若い時は家庭を持っていたが、家庭という責任の場/憩いの場/あるいは拘束の場から追い出されないと放浪できなかった)

・やっぱり底が抜けてる箱をうっかり持ち上げてしまったり、赤ちゃんを預けたまんましばらく戻ってこないような男性とはなかなか一緒に暮らせないのではないか。

・ファーン(Fern)の名前の象徴性→ファーンは「シダ」を意味する。シダの名前を持ったヒロインが岩の間を動き回る意味は?