眠りの森の美女~『ザ・クリエイター/創造者』(ネタバレあり)

 ギャレス・エドワーズ監督の『ザ・クリエイター/創造者』を見てきた。

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 アメリカとニューアジア(アジアのいろんな地域が合わさっているようだ)の間で戦争が繰り広げられている近未来が舞台である。アメリカはAIのせいで核爆発が起こったということで、AIを保護しているニューアジアと戦争状態にあった。アメリカの特殊部隊の一員として潜入捜査をしていたジョシュア(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は、AI設計者であるニルマータ(創造者という意味)の娘ではないかと疑われるマヤ(ジェンマ・チャン)と結婚し、やがて本気で愛するようになる。ある日ジョシュアと妊娠中のマヤの家がアメリカに襲撃され、マヤは死亡したと思われた。失意のジョシュアは核爆発現場の後片付けに携わっていたが、ある日マヤが目撃されたという知らせが入ってくる。マヤが見つかるかもしれないという望みを持ったジョシュアは新しいミッションに参加し、そこで子どもの姿をした高度なAI(マデリン・ユナ・ヴォイルズ)を発見する。行きがかり上、ジョシュアはこの子を連れて逃げることになってしまう。

 ネタバレになるが、ちょっと王子様視点の『眠りの森の美女』みたいなお話である。王子様たるジョシュアが死んだはずのマヤを探すのだが、マヤは死亡したのではなく昏睡状態で、ジョシュアはその眠りを終わらせる役割を負わされることになる。この種のAIの意識みたいなテーマはちょっと最近たくさんありすぎて食傷気味な気もするのだが、話じたいは悪くなかったと思う。ジョン・デイヴィッド・ワシントンが若めのレオナルド・ディカプリオ(亡き妻の執着する寡夫キャラ)とペドロ・パスカル(行きがかり上、面倒を見ることになった子どもを連れて逃げる人)を合わせたみたいな役をやっており、脇もジェンマ・チャンとかアリソン・ジャニーとか渡辺謙が固めており、子役も上手だし、映像も迫力があってけっこう面白く見られた。