リポンには法執行関連の博物館が3つもある。まずはもともと裁判所だったという裁判所博物館を訪問。
昔の法廷を見学し、過去の裁判を再現したビデオも見ることがきる。
妻から逃げるため、流刑を目的に犯罪を犯した男についてのパネル。
警察・監獄博物館。
ドクター・フーみたいなポリスボックスがお出迎え。
標識コレクション。
女性警官の部署についての説明。
監獄。
これは強制労働用の装置らしい。懲役刑では全然生産性のない労働をやらせてたとか…
最後にワークハウス(救貧作業所)博物館。
ここは18世紀末にできた救貧作業所を保存したもので、貴重な博物館である。
英国では救貧対策として困窮者を収容し、労働させる施設をもうけていたのだが、あまり困窮者が競って入りたがらないよう、できるだけワークハウスはみじめな状態に置かれていたということだ。それでも食物と医療、子どもの場合は教育にありつけるということでワークハウスは貧困生活をするよりマシな側面があったらしい。
委員会室とかお風呂などを見ることができる。
衣服を消毒する部屋。困窮者、浮浪者の服にはシラミなどがわいている可能性が高かったため、硫黄などを使って消毒を行ったらしい。
子どもの学校。
自傷・他者危害の可能性がある精神病患者を拘束する危惧らしい。ワークハウスにはかなりたくさん精神病で働けない人が入っていたそうだ。
救貧作業所に入った人々の暮らしについてのパネル。未婚で妊娠した女性などの悲惨な人生についての解説がある。
中庭。ここには警察署で発掘された貴重なボイラーなどが移動され、展示されている。
なんとこのワークハウスは第二次世界大戦頃まで稼働しており(名前や組織は変わったらしいが、貧困者収容施設だったそうだ)、子どもの時にここに入っていた人の写真つきインタビューとかも読めるのだが、現在は博物館の他にCitizens Advice Bureauが入っていたりする。そこを含めて外にも展示がある。
ヴィクトリア朝のワークハウスの菜園を再現した庭。
ワークハウス博物館は、気が滅入るような展示も多いがたいへん貴重な史料だと思うし、まるでディケンズの世界なのでとても勉強になった。辺鄙なところにあるのでかなり行きづらいが、社会史やディケンズに興味がある人は是非。