視覚が使えない世界を体験する参加型エンタテイメント〜『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』

 初めて『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』に行ってきた。グループになり、視覚障害があるガイドさんについて白杖を持ちながら完全な暗闇を体験するという参加型エンタテイメントである。

 室内は本当の暗闇で、全く目が利かない。音を頼りに動くので、グループ内で声をかけあってコミュニケーションしながら、どこに橋があるとか、どこに障害物があるとか、そういったことを伝え合って移動する。室内には山小屋とか海岸、カフェなどを模した場所があり、カフェでは飲み物を飲む体験なんかもできる。真っ暗闇でコップに飲み物をついだり、お皿を探し当てたりするのは本当に大変だ。

 ひとつ面白かったのは、真っ暗闇でも共感覚は働くので、たまに色を感じるということである。ガイドさんが「山小屋に行きましょう」とか言うと、非常に注意深く声を聞いているため頭の中で「山小屋」が漢字に変換され、わりと強く茶色を感じた。ただ、この経験はちょっと共感覚が無い人には説明しづらいな…

 とても面白い体験だったのが、赤坂の『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』は家賃値上げのため8月いっぱいで立ち退きらしい。ルミネで『ダイアログ・イン・サイレンス』っていうのもやるのだが、これは既に全部満席だ。行ってみたいのに残念である。