ロンドンオリンピック2012サバイバルヒント集(4)食物編

 さて、オリンピックガイドのハイライト(?)である食物(死闘)編。

 まず言っておきますがイギリスの食べ物はとにかく不味い。なんでも煮すぎ焼きすぎで味は全くないのに変な香辛料のにおいだけします。どんな過激派ポストモダン相対主義者でもイギリス料理を食ったら普遍的絶対的に悪しきものがあることを認めざるを得ないと思います。それくらい不味いし、たぶんイギリス国民もそれにうすうす気付いている。

 そういうわけで、まあ不味いものでも気にならないという人は大丈夫かと思いますが、私はもともと偏食が激しいというか見たことのない食べ物にものすごい警戒心を示す野生の犬族なのでだいぶイギリス生活はつらいです。と、いうことで、今回はイギリスで不味いものをどうやって避けるかというヒントを…かなりデフォルメされていますが、これは皆様が不味いものを食わないよう警告するためでありますので大袈裟だろとかいうツッコミはなしにしてください。


○避けるべき食物
・サンドイッチ
 イギリスでサンドイッチと呼ばれているものはパサパサのパンに生ゴミみたいな何かをはさんだものです。値段も高いしお腹にもたまらないしコスパ最悪です。

・フィッシュ&チップス
 魚専門店以外のパブとかでフィッシュ&チップスを食べるのはやめましょう。外国人はバカの一つ覚えみたいにイギリスに来るとフィッシュ&チップスを食べたがりますが、はっきり行ってロンドンのそこらの店で食うより渋谷のオールゲイトとかで食ったほうが美味いです。イギリスのパブでフィッシュ&チップスを頼むと、とんでもないデカさの味のない揚げ魚にこんだけ食ったら鼻から出てくるんじゃないかというような量の揚げたポテトがついてきます。万一頼んでしまった場合は食べきれなかったポテトを鼻に入れてみましょう。

・チェーンのパブのパブランチ
 パブにはチェーンとインディペンデントの二種類があるそうで、私はわからんのですが置いてある酒の銘柄で判別できるそうです。で、チェーンと言われるほうのパブよりはインディペンデントのパブのほうがたいていパブランチは美味しいという不思議な現象があります。一方、あまり食物に力を入れてないパブではすんごく不味いものが出てくることがあり、うちはネギ入りプリン(たぶん混入)を出されたことがあります。

・イギリスのパスタ
 スーパーでパスタがそのまんまソースにつかった缶詰が売ってて、怖いので買ったことがありません。

 この他、私はミンスパイ(薬みたいなフルーツが入ったクリスマスのパイ)、ミンスミートパイ(薬みたいなフルーツに肉まで入ったクリスマスのパイ)、スコッチエッグ(なぜかさまして食う揚げたナツメグ風味の卵)、うなぎのゼリー寄せ(絶句)、テスコのホットクロスバン(くどい)、マーマイトなどを生ゴミの一種として排撃しておりますが、食べる人や作り手の腕によってはまあ食える場合もあるようです。チャレンジャーは試してみてください。私は責任はとりません。

 あとイギリスの伝統的ファストフードでコーニッシュパスティという芋と肉をパイにはさんで揚げた料理があるんですが、これは当たり外れが激しくて、美味しいものから油ぎとぎとで激マズなものまでピンキリです。


○私が美味しいと思うもの
・お茶とお菓子
 こんだけ飯が不味いのにお茶と茶菓子だけは信じられないくらい美味しいです。フランスとかイタリアはイギリスとは比べものにならないくらい食べ物が美味しいですが、お茶だけはイギリスに負けると思います。
 オススメのお茶菓子としては、
 クリームティ…スコーン、ジャム、クロテッドクリーム(バターと生クリームの中間みたいなイギリス独特の乳製品)、ミルクティのセット。昼ご飯にもなるし美味しいです。
 メイド・オヴ・オナー…キューガーデン脇のNewensで出している伝統的なリッチモンド銘菓。熱々で食べるエッグチーズタルトみたいなものです。
 ヴィクトリアンスポンジ…日本のショートケーキに近いお菓子。かたいスポンジケーキにクリームとジャムをはさんでお茶と一緒に食べる。
 ブラウニー…なぜかこれははずれがない。
 ショートブレッド…サクサクお茶菓子。

ビリヤニ
 南アジア移民が多いのでカレーの種類が豊富。日本でめったに食べられないビリヤニという炊き込みごはんみたいなカレーがよく売られており、これは美味しいです。

・インディペンデント系のパブランチ
 コテージパイやマッシュルームパイなどのパイ系が無難。 

・リトルチャイナやチャイナタウンの中華(当たり外れあり)

・タイカレー(ただしタイ移民ばかりのタイカレー店に行くと本場すぎて激甘かつ激辛だったりすることも)

・中東料理(モロッコタジンなど)


○オススメのお店
ストランドのホットサンドイッチショップ、ブルネル
 チキンエスかロープスペシャルがオススメ。シティのビジネスマンや王立裁判所の職員御用達で、昼はサンドイッチを大量に出前してる街の弁当屋さん。

王立裁判所裏のねこパブ、Seven Stars
 トム・ペインという革命的な名前の猫を飼っている。運が良ければお目見えできます。

ラッセルスクエアのチャオベッラ
 カルトゥッチョ(紙袋に入れて蒸すパスタ)が美味しい、まともなパスタを手頃な値段で出すお店。

ベルグレーヴィアのウィリアム・カーリー
 和テイストを取り入れた苦くて大人な感じのチョコが売り物のショコラティエリッチモンドに本店があり、ベルグレーヴィアは支店だけど結構大きい店です。オレンジのダークチョコがけはお土産にもオススメ。

ポール・ローズベーカリー
 グリニッジとノッティングヒルにあるパン屋さん。ピーカンパイとアップルパイがおすすめ。サンドイッチもものによるけどまあまあ。

Nandos
 チェーンのピリ辛チキンを出すお店。ここは辛いけどわりとイケます。


 この他、パブランチではセントポールとストランドの間にあるお化けが出る石牢パブ、Ye Olde Cheshire Cheeseとサザークにある史跡指定されてるパブ、ジョージ・インがおすすめ。パブ選びのコツとしては、あまり広くなく、外観が古そうで、大きい道よりは小道に面しており、お酒のラインナップがインディペンデントっぽい(これは私はわからんのですが)ところを選ぶこと。絨毯がしいてあったり、ネコがいると最高らしいです。

 あと、ロンドンの食物といえばバラマーケット。ここに行けばウサギとかキジとかまるごと手に入ります。珍しい野菜などもいっぱいあるし。


○スーパー基礎知識
 イギリスにはコンビニみたいな形態の店はほとんどなく、23時以降はお酒が買えないことが多いので注意。
 テスコやセインズベリーはどこにでもありますが、テスコの品揃えや品質管理は日本のスーパーに行き慣れてる人にはヤバいレベル。セインズベリーのほうがまだだいぶマシです。
 ウェイトローズやM&Sは高級だけど品質はかなり良好。ウェイトローズのチョコクロワッサンは私も愛食しております。
 スーパー選びのコツとしてはできるだけ温度が低いスーパーに入ること。温度が低い→冷蔵庫が多い→まともな果物や野菜が売られている確率が高い。温度が高いスーパーは缶詰とかばっかりで不味いものしかない可能性が高いです。


 こんなわけで、まあオリンピックにきた皆様が不味いものにあたらないことを心よりお祈り申し上げております…