ボトムが本当にロバっぽい~アシュトン『夏の夜の夢』(配信)

 フレデリック・アシュトン版『夏の夜の夢』Marquee TVの配信で初めて見た。メンデルスゾーンの音楽を使った1時間くらいの演目である。2017年に上演されたものだ。

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 夜の森の雰囲気あるセットにロマンティックな可愛らしい妖精がたくさん出てくるプロダクションで、話もスピーディだし、笑うところもあってわかりやすい作品だ。イタズラなパック(ヴァレンティーノ・ズケッティ)がやる気まんまんの様子も楽しい。とくに面白かったのはロバにされてしまうボトム(ベネット・ガートサイド)で、男性だがずっとトウで立って踊る。これは珍しくかつ難しい役だそうで、かぶり物をしているせいで衣装が重くなるので余計つらいそうだ。振付を見ると本当にロバっぽく、コミカルでもあり、さらにロバでなくなって目覚めた時の演技は混乱の中でちょっと寂しそうでもあり、ちゃんと性格のある道化役だ。