『エドワード・ヤンの恋愛時代』4Kレストア版を試写で見た。たぶん初めて見たと思う。
企業経営者のモーリー（倪淑君）、その婚約者アキン（王柏森）、モーリーの親友で仕事仲間のチチ（王柏森）、チチの恋人ミン（王維明）、モーリーの友人である演出家のバーディ（王也民）、女優志望のフォン（李芹）、その恋人ラリー（鄧安寧）のめまぐるしい人間関係を追ったロマンティックコメディである。制作当時（1994年）の台湾の社会や若者たちの人間関係を諷刺しているところもあると思われ、非常に生き生きとしている一方でけっこうビターなところもある作品だ。
面白いのは、チチとモーリーの親密な関係がけっこう今見るとクィアな感じに見えるところだ。とくにチチは自分を振り回すモーリーのことが大好きみたいで、モーリーが昔ほど打ち解けて時間を割いてくれないことに不満を持っている。双方恋人はいるのだが、たぶんチチはミンよりモーリーのことを大事に思っているんだろうな…と思う。
