大学教員は難儀な商売~『スクリーム6』(配信)

 『スクリーム6』を配信で見た。全体的にどんどんこのシリーズはメタな感じになっており、さらに陰謀論とかネットのデマとか新しいトピック(とくにファンダムに関連しそうなトピック)をどんどん取り入れている。エクスプロイテーションっぽい形ではあっても、情報過多な時代に殺人鬼に打ち勝っただけでは終わらない被害者たちのつらい経験(本当はあいつが黒幕では…みたいなデマを信じるやばい人が出てきて中傷されたりする)をけっこうちゃんと描こうとしてはいると思う。そしてこのシリーズの特徴でもある、最初に出てきていきなり殺される人が今回は大学教授のローラ(サマラ・ウィーヴィング)で、この人はなんとホラー映画研究者ということなのだが、なんか逆恨みみたいな感じで出来の悪い学生に殺されており、まったく大学教員は難儀な商売だと思って見ていた(何しろ自分が大学教員なので…)。

 なお、この映画を見た直後にヒロインのひとりであるサム役を演じるメリッサ・バレラがイスラエルの侵略批判をしたためフランチャイズから解雇され、これに続いてもう1人のヒロインであるタラ役のジェナ・オルテガも(この件とは無関係で前から話し合っていたとは言っているのだが、少なくとも公表のタイミングには作為的なものを感じる)降りてしまった。スクリームクイーン2人がいなくなってしまったので、スクリームフランチャイズは正直、存続の危機では…と思う。フランチャイズ経営陣の振る舞いがひどすぎるので、『スクリーム』が初めて見たホラー映画だった私としてはかなりイヤな気持ちである。