ダイナミックだがいくつか技術的な問題も~『ジーザス・クライスト・スーパースター』

 『ジーザス・クライスト・スーパースター』をニュー・シアター・オクスフォードで見てきた。アンドルー・ロイド・ウェバーとティム・ライスの有名なロックミュージカルで、ティモシー・シーダー演出で現在UKツアー中である。映画と舞台映像は見たことあるのだが、ライヴの舞台で見たのは初めてである。

 大きな十字架が斜めに床に置いてあるセットで、登場人物は全員現代の服を着ている。全体的にけっこう厳しくダイナミックで、暴力的といってもいいような生々しい演出である。歌は全体的に非常にパワフルで、とくに私の好みとしてはメアリ(ハンナ・リチャードソン)がわりと温かみのあるフォギーが声なのは良かった。ピラト(ティモシー・ロバーツ)がデスメタルシンガーみたいに叫ぶのはちょっと驚いた。

 ただ、2箇所くらいちょっと技術的なところで疑問があった。まずはあんまり歌詞が聞こえないところである。私が劇場で座った位置の問題なのかな…と思ったらウィンチェスターでもサウサンプトンでもそうだったらしいので、たぶんプロダクション自体の音響デザインの問題だと思う。あと、90分の台詞なしで歌い上げるショーなのに25分くらい休憩があり、これは要るのかな…と思った。スピーディさを減じているように思う。