2017年舞台ベスト10

 2017年の舞台ベスト10を書こうと思う。今年は121本舞台を見て(舞台の映画館上映、バーレスク、ダンスなどを全部含む)、そのうち9本が『夏の夜の夢』、6本が『ハムレット』だった。また、このうち7本は映画館で上映されたものである。

1. ケネス・ブラナー演出、トム・ヒドルストン主演『ハムレット』(RADA)
 今年見た『ハムレット』の中でダントツ好みだった。アンドルー・スコット版より個人的には好き。

2.カクシンハン『マクベス』
 ゴミみたいなセットで全くゴミじゃない内容が繰り広げられる、エネルギッシュな上演だった。

3. 木野花演出『クラウドナイン』
 すごく面白かったのだが、ただマーケティングで「レズ」とか「少年愛」とかいう言葉を使ってるので大幅減点。

4. リチャード・トワイマン演出『危険な関係』
 とにかく衣装の使い方が巧みだった。

5. イクバル・カーン演出『アントニーとクレオパトラ』(ロイヤル・シェイクスピア・シアター)
 セクシーな政治劇で、とりあえずこの演目としては納得できる出来だったと思った。

6. 伊藤靖朗演出『SAFARING THE NIGHT サファリング・ザ・ナイト』
 野外などで行う参加型上演。『夏の夜の夢』の翻案。

7. ちちぶオペラ『ミカド』
 ティティプーの国で『ミカド』が見られるというのが楽しいし、出来も良かったと思う。

8(同点2本). スティーヴン・ウィメット演出『アテネのタイモン』(ストラトフォード・フェスティバル)及び吉田鋼太郎演出『アテネのタイモン』(彩の国さいたま芸術劇場)
 今年見た2本の『アテネのタイモン』はちょっと甲乙つけがたかった。どっちも違う個性だが、良かった。

10. ダイアン・パウルス演出『ファインディング・ネバーランド』(東急シアターオーブ)
 舞台のイリュージョンを存分に生かした演出が良かった。