活人画の衰退と現代アート〜資生堂ギャラリー「LAS MENINAS RENACEN DE NOCHE 森村泰昌展 ベラスケス頌:侍女たちは夜に甦る」

 銀座の資生堂ギャラリーで「「LAS MENINAS RENACEN DE NOCHE 森村泰昌展 ベラスケス頌:侍女たちは夜に甦る」を見てきた。







 森村泰昌って昔の活人画とか諷刺画に大変似ているもので、パロディとかバーレスクの領域にあると思うのであまり真面目に現代アートとして見ないほうがいいんじゃないかと思うのだが、この展覧会も最初のパネルからして芸術家というよりは興行主みたいだし、『ラス・メニーナス』の改変ものも人を食ったような内容のものばかりでいろいろ笑えるところがあった。

 しかし、こういうのを見るとヴォードヴィルの衰退と現代アートっていうのは関係あるんだろうか…と思ってしまった。例えばキャバレー芸能としての活人画っていうのは1970年代くらいにはもう廃れていたと思うのだが、森村泰昌って活躍しはじめたのは80年代くらいだしシンディ・シャーマンが活躍するようになったのもたぶん70年代くらいだったろうと思う。キャバレーとかサーカスのサイドショーでやられていたような一般向けの演芸が衰退するとともにハイ・アートに取り入れられるようになったわけで、なんかあまり考えがまとまらないがこれは示唆的である気がする。