井村君江新訳『テンペスト』出版記念講演会 「シェイクスピアと妖精たち」

 早稲田のスコットホールで井村君江新訳『テンペスト』出版記念講演会 「シェイクスピアと妖精たち」を聞いてきた。

 妖精について基本事項をおさえて、かつ『夏の夜の夢』と『テンペスト』の妖精の違いについてという感じの話だったが、プリントが足りなくなってもらえなかったのが少々キツかった(後でメールで頂いた)。シェイクスピアリアンとしては、18世紀のエディターの話でニコラス・ロウが出てこないあたりとか、いくつかちょっとはしょりすぎと感じるところがあったが、『テンペスト』のエーリアルはfairyではなくspiritだという話とか(これだとハムレットの亡霊と同じだな)、マブは小さいがティターニアは大きいとか、そういう話が面白かった。ただ、個人的にはもっと『テンペスト』の翻訳の苦労話をききたかった。