『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』(メモのみ、ネタバレ注意)

 試写でグザヴィエ・ドラン監督の新作『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』を見てきた。これについてはちょっとまとまったものを書くかもしれないので、メモだけにする。公開前なのでネタバレ注意である。

  • 監督が子供の時にレオナルド・ディカプリオにファンレターを書いた経験に基づいている。実は私も、この仕事をやってるのはディカプリオのせいだ。ディカプリオの被害者クラブを結成したい(???)。
  • Rotten Tomatoesで21%の低評価→なんとなくわかる。全体的にファンレターの話であるには手紙の内容があんまりちゃんと出てこなくて仕掛けがうまく活用できておらず、脚本にけっこう問題があると思う。とくに終盤の脚本はかなりひどい。
  • キット・ハリントンが演じるジョンというあまり世間のことをよく知らない男がおり、とりあえず死んでしまって、象徴的に蘇る的な話なのだが、あれ、この話、どっかで見たような
  • たぶんこの映画は「『ゲーム・オブ・スローンズ』のジョン・スノウはイケてる」ということを前提にしているのではないかと思うのだが、私はジョン・スノウがイケているのかどうか、もうよくわからない。
  • ジョン・F・ドノヴァンにファンレターを書いている子役ルパートを演じるジェイコブ・トレンブレイ(『ルーム』の子)が超うまいのだが、一方で脚本のほうでこの子が話す場面についてはダイアローグが成熟しすぎており、なんだかえなりかずき芦田愛菜をプラスした大人子供がしゃべってるみたいに感じられる。このレベルの演技ができる成熟した子役にあわせるならそれでもいいのかもしれないが、憧れのスターに手紙を書いてるということは十分子供っぽいところがあるはずの子なのではないかと思うので、そういう性格の子がこんなしゃべり方をするのってちょっと不自然では?
  • 怒濤のガス・ヴァン・サント推し。私もグザヴィエ・ドラン監督も、たぶんディカプリオとガス・ヴァン・サントに人生をメチャクチャにされた。そのためこの映画はどうしても憎めないところがあるのだが、この映画のターゲット層は私一人なのではないかという気持ちがぬぐえない。