手ぶれがひどい~『呪詛』(ネタバレあり)

 Netflixで台湾のホラー映画『呪詛』を見た。台湾の地方宗教にまつわる呪いを受けてしまったルオヤン(蔡亘晏)が娘とともに呪いに対抗しようとする様子を描いた作品である。

 時系列はあまり直線的ではないのだが、基本的にはファウンドフッテージ…ではあるものの、ファウンドフッテージとそうでないところの分け方がけっこうテキトーで、この手のファウンドフッテージホラーとしてはあんまり理屈がしっかりしていない。全体的にわりと論理は緩めだし、終盤はダラダラしていると思う。さらにファウンドフッテージ部分は手ぶれがかなりひどく、相当カメラ酔いする。また、これは私の好みの問題なのだが、地母神系の神様を悪魔化するホラーはなんかステレオタイプな感じでそんなに面白いと思えない(この点は『ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス』でも感じた)。

 あと、いくつか翻訳などで気になったことがあった。ドゥオドゥオの「里親」と訳されている男性チーミン(高英軒)が出てきて終盤にかなり活躍するのだが、このチーミンはおそらく日本の制度では「里親」にあたらない人ではないかと思う。どっちかというと小規模な児童養護施設の責任者みたいな仕事をしているように見える。台湾の養親制度がどうなっているのかはよくわからないのだが、英語のプロットを見たら"manager of the foster care home"となっており、日本語の「里親」ではない気がする。