ここで終わり!?~『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(試写)

 『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』を試写で見た。『スパイダーマン:スパイダーバース』の続編で、この後に『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』が続く。

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 マイルス(シャメイク・ムーア)とグウェン(ヘイリー・スタインフェルド)を中心に、マイルスが全てのユニバースでスパイダーマンが直面するという悲劇的な運命に対抗しようとする様子を描く…のだが、『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』に続く完全なるクリフハンガーで終わる。大変面白いのだが「ここで終わり!?これで来年まで待たせるの!?」みたいな感じである(『ワイルド・スピード ファイヤーブースト』もそうだったが)。たぶんこの抗えない運命への抵抗というところがマイルスが、アメリカにおけるブラックラティーノ、つまり「運命」として虐げられてきた民族の子孫だということにつながってくるのだろうと思う。

 全体としては非常に絵が綺麗である。とくにそれぞれのユニバースごとのスパイダーマンについて、違う画風の絵をあまりバラバラな感じにならないよう統一して動かしているところがとても見応えがあり、よくこんなふうにスタイリッシュに画面を作れるものだ…とビックリするようなところがある。わりとコミカルな演出もあり、複雑でけっこう重い話だが息抜きできるところはある。