ちょっとした落語のような…「ネズミ捕りの男」(配信)

 ウェス・アンダーソンによるロアルド・ダール原作短編集のひとつである「ネズミ捕りの男」を見た。短編4つの中でこれが一番グロテスクでブラックユーモアが強いお話なのだが、通常、映画なら画面に映るように出すものを実際に見せずに役者があるふりだけする…みたいなところがあり、お芝居っぽいというか、むしろ日常小ネタをデフォルメしたみたいなところも含めて落語みたいな話だと思う。短編集全体では作者のロアルド・ダールを演じているレイフ・ファインズがネズミ捕獲人の役で出てきており、名人芸を駆使して楽しそうにいろいろグロテスクなネタを繰り出しているのだが、作者とこの人を食ったようなおじちゃまが同じというのはなかなかキャスティングとしては面白く、作家ロアルド・ダールは真面目に書斎にこもって書いているようでいて実はこういう人をビックリさせるような話が好きな近所のおじさんなんですよ…みたいなことを強調していると思う。

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