ちょっと変わった舞台劇のような…「白鳥」(配信)

 ウェス・アンダーソンによるロアルド・ダール原作短編集のひとつである「白鳥」を見た。お話の内容を実際に実演するというよりは、セットみたいなところで大人になったピーター(ルパート・フレンド)が語り手として昔話風の調子で子どもの頃の自分(エイサ・ジェニングス)がいじめられていた時の話をするというものである。一応、この枠のさらに外側にロアルド・ダールレイフ・ファインズ)もいる。作中ではステージハンドがセットをいじったりしていて、非常に演劇っぽい。おそらくこの短編集の中で「白鳥」が一番『アステロイド・シティ』に近くて、演劇っぽいという点では実験的なのではないかと思う。ただ、正直ウェス・アンダーソンがこのあたりでやりたい演劇的実験みたいなものがうまくいっているのかはあまりよくわからない…というか、面白みはあるものの、こんなに何重にも語りの枠を設定する必要あるのかなと思うところもある。

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