1960年代スイスが舞台のレズビアンロマンス~The Good Women

 スモックアリー劇場でThe Good Womenを見てきた。出演者であるレナ・リドルとフェイス・マッキューン、演出家のソフィ・マースデンが作った台本で、登場人物はリドル演じるドイツから移民してきたアルコール依存症気味の主婦トゥルーディと、マッキューン演じる料理番組ホストのベティだけである。ふとしたことからふたりが出会い、夫とうまくいっていないトゥルーディは家出してベティの家に転がりこむ。何事もきちんとしていないと気が済まないベティはちょっと破天荒なトゥルーディを愛するようになるが、なかなかふたりの関係はうまく前に進まない。

 スイスは1970年代まで女性に選挙権がなかったというくらいで非常に抑圧的な国で、それを背景にした作品である。ひとつだけのセットで、そこがベティの家になったり撮影スタジオになったりする。ふたりの全く性格が違う女性がだんだん近づいていく静かで心温まるレズビアンロマンス描写と、真面目なベティが最後に料理番組で全てをブチまけるラストのメリハリがしっかりしていて、とても楽しめる小品だ。