Frameless

 ロンドンのFrameless美術館に行って来た。ここはいろいろな絵画を動画のようにして動かし、お客さんにイマーシブな感じで体験してもらうという美術館である。

 中は'Beyond Reality'、'Colour in Motion'、'The World Around Us'、'The Art of Abstraction'の4つの展示に分かれており、それぞれのテーマに沿っていろいろな絵を組み合わせて動かし、部屋いっぱいにプロジェクションするという形になっている。たとえばThe World Around Usはこんな感じである。

 テーマごとにいくつか絵をそろえて動かしながら変える展示構成なので、よくSF小説にある、失われた文明を子どもがホログラムとかで学ぶ…みたいなのを思い出した。あれが実現に近づいてるのか…と思った。

 けっこう面白かったのだが、考えたことが2つくらいある。ひとつめはやはり絵画は早くパブリックドメインにすべきだということだ。パブリックドメインだとこういうことがやりやすくなる。使われている絵画も大部分はパブリックドメインのものである。

 ふたつめは、こういうのは絵画よりむしろ舞台芸術で使える技術である気がする…ということだ。光の量が変わってもわりと細部まで鮮明な絵を動かせるので、イマーシヴな背景としてかなり迫力がある。いろいろな舞台でこういう技術が使われるようになるだろうな…と思う。