ラスベガス(2)エロティックヘリテージ博物館(エロ・グロ注意)

 エロティックヘリテージ博物館に行ってきた。その名の通りセクシュアリティとかエロティシズムに関するものをいろいろ集めた博物館…なのだが、秘宝館的なものを想像するとだいぶ違う…というか、けっこう真面目な博物館である。展示の内容はいろいろなセクシュアリティや性的健康に関する詳しいパネルとか、ちゃんと学者が監修についている性文化の歴史に関する展示とか、性的な諷刺やパロディとか、かなり教育的である。写真も撮れるし、小さい図書館もある。

外見。

入る前の注意書き。展示に勝手に触るなということを下ネタジョークをまじえつつお願いしている。

性的に保守的な政策を唱えながら不倫とか性的虐待で告発された政治家を紹介するHall of Shame。入るといきなりこれがある。

バートリ・エルジェーベトに関するグロめの展示だが、真ん中にある「人形は同意できません。触らないで!」という注意書きが非常にウケた。冗談まじりに性的同意の大切さをほのめかしている。

ワイマール期からナチスの時代あたりまでのドイツの性文化についての展示。

メル・ゴードン(物故者)監修のパリの性文化についての展示。エフェメラ類などがけっこうあった。

 

人間のセクシュアリティについての展示。アセクシュアリティとか高齢者の性、障害と性、人間の性的ファンタジーなどに関する詳しい説明がある。

性的健康についての展示もたくさんある。これは中絶の権利についての展示。

STDについての展示の一部。このマスコットは左からクラミジア、HPV、梅毒らしい。性教育に使うものらしいが、意外とカワイイじゃないか。

パロディポルノの歴史についての展示。フッテージの上映もある。スター・ウォーズゲーム・オブ・スローンズが…

小さいが、図書室もある。日本の本だと荒木経惟写真集とかがあった。

 全体的にかなり勉強になったし面白かったのだが、途中にある、未成年の生徒と関係を持った女教師の名前と写真を並べた展示はちょっとどうかと思った。男性の性犯罪に関する同じような展示はやっていない上(Hall of Shameはあるが)、私はこの種の実名や場所をあげた展示は性別を問わず被害者の身元詮索につながる気がするのであまりよくないと思うほうである。未成年者に対する性犯罪について啓蒙活動をするのなら、別に匿名のデータや統計を持ってきてそれを詳しくパネルで解説するのでいいのでは…と思う。