マシュー・ボーン,'Play Without Words'〜とにかく話がよくわからなかった…

 サドラーズ・ウェルズでマシュー・ボーンの'Play Without Words'再演をサドラーズ・ウェルズで見てきた。私、マシュー・ボーンは大好きなのだがこれが今までで一番きつかったかも…

 とりあえず話がよくわからなかった。60年代のチェルシーのお屋敷を舞台に、上流階級の男女が使用人たちに誘惑され秩序が崩壊していく様子をバレエだけで描く…というのものなのだが、とりあえず三組の話が同時に進行するのが初心者にはなかなか難しく、さらにふだん古典の芝居ばかり見ている人としては「いやこんな複雑な心理劇をバレエでやる意味があんのか。ストレートプレイでよくない?」みたいな邪念が芽生えまくってしまって、試みとしては意欲的なんだとは思うけどそこまで楽しめなかった(正直、途中数回つまらなくて眠くなってしまった)。ヴィジュアルは相変わらずボーンらしく素敵だし、踊りもとことんセクシーではあったんだけどなぁ…まあ私は普段ストレートプレイでは陰鬱な悲劇ばかり見ているので、バレエとかバーレスクなどのダンスにはもうちょっと夢と笑いを求めている、という個人的趣味もあるのかもしれない。あとこれってイギリスの階級文化独特のいろんな笑いどころがある演目でボーンの他の作品に比べるとハイコンテクストなので、そういうのがわからないからつまらなく感じてしまう、というのもあるのかも。

 とはいえマシュー・ボーンの新作はゴス版『眠りの森の美女』である。これは期待大なのでもちろんチケットを買った。