モンティ・パイソンの『スパマロット』〜アメリカ版とあらすじが違う?

 
 モンティ・パイソンの『スパマロット』ロンドン公演を見てきた。
 ↓これが初演の時からの広告。ひどい。

 内容は『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』からとってきている。初演の時に比べるとかなり劣ると言われていてレビューで不評なのでどうなることかと思ったが、なんもなんも普通に良かった。そりゃ『ホーリー・グレイル』の焼き直しなのでオリジナリティとかはあまりないし、ギャグも安いといえば安くてパイソンズ全員揃った時のあの素晴らしいぶっとびぶりには及ばないが、歌に踊りにすっとんだジョーク、ディーヴァやショーガールの過剰なパフォーマンス、時事ネタ、ハイコンテクストなパロディがいっぱいで、たぶん私が憧れている19世紀のバーレスクショーとかはこういう感じだったんじゃないかと思うのでこれで全然OKだと思う。

 まああらすじはアーサー王と円卓の騎士が聖杯を見つけるまでの冒険なのだが、こんなあらすじはまあどうでもいい。最初に出て来た歴史学者イングランドの中世史を説明した…はずなのになぜかフィンランドの人たちが出て来て踊ったり、アーサー王リクルートしようとしたガラハドがコミューンに住んでいる共和主義者でアーサーが王であることを認めなかったり、ランスロットがお姫様と間違えて救った王子とその父にゲイであることをアウティングされた末結局王子と結婚することになったり、すっとんだジョークがいっぱい。最後は舞台に"Always Look on the Bright Side of Life"の歌詞が出て、お客さんもsing-alongしておしまい。実にウェストエンドらしい夕べである。

 ただ、ちょっとよくわからないのだがたぶんアメリカ版とは若干あらすじが違うんじゃないかと思う。事前に調べておいたアメリカ版のあらすじでは「ブロードウェイで成功するにはユダヤ人が必要だ!」という歌があってアーサー王ユダヤ人を探すそうで、ウェストエンド初演の際に「ウェストエンドは事情が違うのでこの歌はあまり面白くない」とレビューに書かれたらしいのだが、この上演では「スターをさがそう!」という話になっており、アーサー王が「とりあえずハリー王子にコンタクトとってみるかー」とか時事ネタをかましていた。あとなんか日本版では韓流スターを探すとかいう話になってたんだって?そのジョーク日本で通用するのかな…?他の国でやった時はどうなってたんだろう?