今年もwashburn1975さんの映画ベスト10企画に参加いたします。今年は「ホラー映画ベスト10」。
1. 『スクリーム』(1996)
これはうちの世代の人にとっては初め見るアメリカンホラー映画だったんじゃないかと思うのだが、これを最初に見るとホラー観が相当狂いますよね。オリジナルなしでパロディを先に見るわけだからねぇ。
2. 『羊たちの沈黙』(1991)
警官を殺す場面の『ゴールドベルク変奏曲』の使い方が怖い。ジョディ・フォスターもカッコいいし。
3. 『エイリアン』(1979)
これもシガニー・ウィーバーがカッコよかった。あと、旭川の自主上映で配っていた同人誌にこの映画のレビューがのってて、エイリアンは日本の暗喩で、日米経済摩擦による日本製品の米国市場席巻に自由の女神が対抗する話として解釈するのはどうかっていう話が書いてあったのだが、思えばあれが初めて読んだまともな映画批評だったかも。
4. 『私はゾンビと歩いた! 』
『ジェーン・エア』を原作とする古典的ゾンビホラーで、屋根裏の狂女バーサが実はブードゥーの呪術にやられたゾンビだったら…?という発想で一点突破したもの。私は病気で発生したりやたら速く走ったりするモダンゾンビよりも呪術で発生する古典的ゾンビのほうが好きなゾンビ保守派なのでこういう映画のほうが好み。ちなみにマヌエル・プイグの『蜘蛛女のキス』に出てくる『甦るゾンビ女』っていうのはこの映画である。
5. 『ロッキー・ホラー・ショー』(1975)
怖くないからタイムワープしよう!
6. 『ウィッカーマン』(1973)
一言で言うとキリスト教原理主義者の童貞は死ね、という話。ふんだんに使われる民謡やらスコットランドの民俗やら、英国に住んだことのある人はたぶん必見。
7. 『ティム・バートンのコープスブライド』(2005)
ストップモーションアニメを使用したヴィクトリアンホラーコメディ。死んだ犬に注目。
8. 『プラネット・テラー(グラインドハウス)』(2007)
ローズ・マッゴーワンが片足に義足がわりに銃器を装着したバーレスクダンサーで、ブラックアイドピーズのファーギーがすんごいどうしようもない役で出てて…
9. 『REC』(2007)
こんだけ金かけてないのにすごく面白かったです。同じPOV手法でも『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』とかより全然よくできてると思う。
10. 『幸福』(アニエス・ヴァルダ監督、1965)
これをホラーに分類する人はいないと思うのだが、今まで見た映画の中で一番怖かった。ヌーヴェルヴァーグの恋愛映画ってキツいものが多いが、これはとくにヘテロセクシュアル男の罪の意識の欠如っぷりがヤバすぎる。高校生の時に見てトラウマになりかけたが、今では「ああ…」と思うところも。
こうして選んでみると、うち高校生の時はわりとホラー見てたけどイギリス・ルネサンス演劇を研究し始めてから全然ホラー見てないなぁと…古典芸能を研究する人って日常的にこういうのとかこのレベルのエログロ残虐ホラーをライヴアクションで見ているので、映画でホラーを見る元気あまり残らないような気がする。