衛紀生、本杉省三『地域に生きる劇場』(芸団協出版部、2000)を読んだ。今年の池袋演劇祭の審査員になったので、その予習的な感じ。
日本各地の地域劇場を取材してまとめた本で、どこでどんな取り組みが行われているのか、どんな特色があるのかということがかなり詳しくわかる本である。世田谷パブリックシアターみたいないわゆる花形的な劇場から、東京に住んでいるとなかなか知る機会もない地方劇場もとりあげられており、とくに予算や劇場の建築構造などもきちんと図表で示しているところがいい。一口に地域劇場といってもいろいろな違いがあるとわかる一方で、これは2000年の本なので既に古くなっている情報もあるのでは…という気がするが、そうはいってもここに出て来ているような劇場には機会があればできるだけ訪れてみることにしたいなと思った。機会があまりないかもしれないけど…