たいして面白くはなかった〜てあとるらぽう『ウィンザーの陽気な女房たち』

 てあとるらぽう10周年記念公演『ウィンザーの陽気な女房たち』を見てきた。

 シンプルなセットや衣類にストレートな上演で、音楽を取り入れたり、最後のフォルスタッフ騙しのところはいろいろ照明などにも気を遣っているなど良いところはあった。しかしながら台詞はけっこうとちったりもたついたりしていたせいで間が微妙になっており、もっと笑わせられるはずのところでちょっとしかおかしみがないというところも多かった。歌も練習不足感が否めず、そんなに面白い上演ではなかったと思う。フォルスタッフを典型的な太った面白いおじさんというよりはよくいる悲哀もある中年男にしているところは工夫があると言えるが、うまくいっているかについてはちょっと疑問もある。とはいえ、このところテクストをいじりまくって意味不明になっている気取ったひどいシェイクスピアばかり見ていたので、それに比べるとだいぶマシに思えて楽しめた。