最低のスター・ウォーズファン~『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(ネタバレ)

 『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』を見てきた。

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 『ワイルド・スピード』(Fast & Furious)シリーズの9作目である。田舎でひっそり隠退生活を送っていたドム(ヴィン・ディーゼル)とレティ(ミシェル・ロドリゲス)のところに昔の仲間たちがミッションを持ってきて、まあ相変わらず地球レベルの大問題に発展するというものだ。ドムと弟ジェイコブ(ジョン・シナ)の因縁や、実はハン(サン・カン)が生きていたことなどが明かされ、まあいろいろえらいことになる。

 『ワイルド・スピード』シリーズは、お話の整合性とかはもう完全にどうでもよくなっているので、ハンが生きていた経緯が明かされるくだりについては、そんなことあるわけねーだろ…!!と思う一方、もうハンが生きていてくれたら何でもいいやみたいな気になってしまうところもある。レティやミア(ジョーダナ・ブリュースター)がけっこう活躍していて、レティはドムに先んじて以前の荒っぽいミッションをこなす生活に戻ると決意するし、ミアは夫のブライアンに子供を預けてひとりで出てきていて、2人とも大変積極的だ。お亡くなりになったポール・ウォーカーが演じているブライアンがまだちゃんと生きている設定なのも嬉しい。

 そしてこの映画で大変気になるのは、途中でなぜかお宝がエディンバラに隠してあるということだ。さらに、なんとチームの中で唯一、車が運転できないハッカーラムジー(ナタリー・エマニュエル)が成り行きで仕方なくエディンバラで車を運転することになり、エディンバラの街を破壊しまくる。ロイヤル・マイルやジョンストン・テラスなどが出てきているのだが、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』以来、エディンバラが破壊しがいのある綺麗なヨーロッパの古都としておなじみになりつつあるようで、喜ばしいことだ。

 また、もう1つ気になったのか、悪役であるオットー(トゥエ・アーステッド・ラスムッセン)がスター・ウォーズシリーズのファンだということだ。このオットーは北欧か何かのどこかの国のトップの息子だそうで、甘やかされたドラ息子そのものなのだが、たちの悪いスター・ウォーズファンを凝縮したような性格である。たぶんヒマな時にはケリー・マリー・トランに嫌がらせのリプとかを送っていたようなタイプだと思う。こいつがやっつけられるのはスター・ウォーズファンとしてはなかなかせいせいする。