ドラァグクイーンも登場~『ボノ&ジ・エッジ A SORT OF HOMECOMING with デイヴ・レターマン』

 『ボノ&ジ・エッジ A SORT OF HOMECOMING with デイヴ・レターマン』をディズニー+で見た。U2の新アルバム『Songs Of Surrender』にあわせて作られたドキュメンタリーであり、基本的にボノとジ・エッジがデイヴィッド・レターマンをダブリンに招待していろいろと過去の話をしたりするのにライヴ映像を織り込んだものである。

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 既にU2ファンなら知っている内容もわりとあるが、ボノとジ・エッジがわりと個人的なことも含めていろいろと過去の曲について話してくれる一方、ダブリンに対する郷土愛もよくわかる内容である。レターマンはアイルランドの事情に詳しくないので、The Troublesのことからボノがレターマンに説明してあげる場面などもある。新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけにこの2人は自分たちの過去作を見直しており、その成果がライヴとなってあらわれている。

 一番面白かったのはレターマンがドラァグクィーンのパンティ・ブリスにインタビューするところである。パンティはU2のショーに出たこともあり、同性婚合法化の時にテレビで歯に衣着せぬホモフォビア批判をした活動家でもある(この時の批判にRTÉが慌ててパンティゲートと呼ばれる問題が起こった)。パンティは最初はU2の音楽がマッチョなパンクだと思って好きではなかったらしいのだが、日本で活動している時に東京でU2を見て、思っていたよりもずっとオープンなバンドだと思って好きになったらしい。U2は『アクトン・ベイビー』でかなりグラムに接近したので、これはけっこうよくわかる経緯だし、最初のU2がちょっとマッチョすぎるように聞こえたというのも今となってはなるほどな…と思うところがある。