美術と演出はとても良い~『ライフ・オブ・パイ』

 ナショナル・シアター・ライブで『ライフ・オブ・パイ』を見てきた。ヤン・マーテルの作品の舞台化で、映画にもなっている。これは脚色をロリータ・チャクラバーティ、演出をマックス・ウェブスターが担当している。 

 お話はまあ映画とだいたい同じなのだが、殺風景な病室を模した舞台が一種にして海に変わる美術と演出が醍醐味である。『ブック・オブ・ダスト  美しき野生』同様、船での移動をいろいろな工夫で見せ、動物はパペットで…ということで、たぶんこの二匹目の土壌ならぬ二匹目のトラを狙っているんだろうと思う。視覚効果を見ているだけで面白くて大満足なのだが、ただ私は映画を見た時からこの話があまり好きではない…というかむしろ怖かったので、そこまで好みではない。