この演目が年に2回見られるとは~明治大学『新ハムレット』

 明治大学シェイクスピアプロジェクトラボ公演『新ハムレット』を見た。6月にもPARCO劇場で『新ハムレット』の上演があり、1年に2回もこの演目を見られるとは…とちょっとビックリである。

 小規模でこじんまりとした80分のすっきりした上演だ。PARCO劇場の豪華さに比べると学生のお芝居なので完成していないところはたくさんあるのだが、何しろ年齢が本当に学生なので、頼りない若者ハムレット(阪上祥貴)や年上のガートルード(麻布日南子)に憧れているオフィーリア(横山心花)などは商業演劇にはないリアルさもある。面白かったのはホレイショー(小山春樹)がPARCO劇場で見た時よりもだいぶちゃらんぽらんで勉強ができなそうな学生に見えるところである。PARCO版のホレイショーは勉強だけはけっこうしているがそれ以外については世間知らずもいいとこ…という感じがしたように思うのだが、こちらのホレイショーはヴィッテンベルクの勉強についていけるのか心配になるくらいぼんやりしていてお調子者で、そこが笑いを誘うところもある。