あまりこういうのは…『熱のあとに』(試写)

 『熱のあとに』を試写で見た。新宿ホスト殺人未遂事件をヒントにしたものだそうなのだが、正直なところ、私は(最近だと『』とかもそうだったのだが)直近のショッキングな事件を題材に作家が描きたいことを描く…みたいなお話には若干抵抗感があり、とくにこちらの映画はいろいろ複雑な事情がありそうな事実を「愛」の物語として普遍化しようとしている感じがして、映画じたいの出来とは関係なく個人的にあまり好きにはなれないな…と思ってしまった(演技とかは別に悪くないと思う)。しかしこういう「他人の事件を題材に作り手がやりたいことをする」みたいな映画は日本ではけっこう多いように思うのだが(そのわりに直近の政治的事件を題材に政治家を諷刺するみたいなものは少ないが)、そういうのってちょっと身勝手ではないかな…と思うこともある。