ソーホー座『ミッドサマー』――楽しい観劇のはずが…

 今年初の芝居ということで、ソーホー座で『ミッドサマー』を見た。ちょっと高かったし立ち見席しか残ってなかったんだけど、あえて字幕付きの回を選択。かなりスコットランド訛りの激しい台詞があって、そこは全然聞き取れなかったので、字幕付きにして正解だった。


 これはエディンバラで酔っぱらって一夜を共にしてしまった男女がそれをきっかけに恋に落ちるという話で、『夏の夜の夢』(A Midsummer Night's Dream)とは直接関係ない…のだが、なぜかヒロインの名前はヘレナだし、ヘンなクラブで「夏の夜のクリーム」とかいう催しが行われていたり、そこかしこにちょっとしたアリュージョンがある。どうやら製作陣シェイクスピアを意識していたらしい。


 最初はあまりにも台詞が多くてどうなることかと思ったのだが、役者はたった二人、部屋にベッドがあるだけのちっちゃなセットで、とっかえひっかえいろんな人物を演じながら場面が移り変わるスピード感のある舞台で、台詞も気が利いているし(ボブが某身体の一部と会話する妄想をするところは観客大爆笑)、面白かった…のだが、なんと九時を回ったあたりで思わぬ大災害が。なんか一点にわかにものすごく気持ちが悪くなり(どうも昼に食べたコーニッシュパスティの油が古かったみたいで、すごい吐き気が…)、立ち見だったもんで床にへたりこんで十分ほど死にそうになっていたので、その間に起こったことを全然覚えてない…面白い舞台だったのに、コーニッシュパスティのせいだ!