『田舎と都会』読書会、既に課題図書は二つともメモをアップしたので、今日からは参考図書のメモをアップする。今日は山田雄三『ニューレフトと呼ばれたモダニストたち:英語圏モダニズムの政治と文学』(松柏社、2013)。
ニューレフトと呼ばれたモダニストたち ──英語圏モダニズムの政治と文学
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とくに面白いと思ったのは第二章で、遅れてきたモダニストとしてのオーウェルとその後世に与えた影響力を論じた箇所である。ジョイスとレイモンド・ウィリアムズをつなぐエグザイルとしてのオーウェル、というのはかなり興味深いと思う。ただ、その後の部分でふつうメトロポリスとして考えられないカーディフとかスウォンジーをメトロポリスとして定義してしまっているのはどうなんだろうという気はする。第四章のウィリアムズの悲劇論や第八章のサッチャー政権下の劇場についての議論も演劇研究者ならかなり面白いだろうと思う。第六章の水俣と南ウェールズを関連づける話は面白いけど全体としてこの水俣に関する箇所は必要なのかなぁという気もする。