このところ洋画の宣伝方法がおかしい、ファンのほうを向いてないということで批判が多いので、ふと「本もそうかも」と思った。そこで、ちょっと思いついて「今まで見たことがある本の中で、いい本だが全く売る気がなさそうなもの」を紹介してみようと思う。基本的に質についてはかなり高く評価している本ばかりなので、バカにするための企画ではない。
・岡和田晃編『北の想像力 《北海道文学》と《北海道SF》をめぐる思索の旅』寿郎社、2014。
北の想像力 《北海道文学》と《北海道SF》をめぐる思索の旅
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石和 義之 礒部 剛喜 浦 高晃 岡和田 晃 忍澤 勉 倉数 茂 小谷 真理 高槻 真樹 巽 孝之 田中 里尚 丹菊 逸治 東條 慎生 橋本 輝幸 藤元 登四郎 増田 まもる 松本 寛大 三浦 祐嗣 宮野 由梨香 横道 仁志 渡邊 利道
寿郎社
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・ひつじ書房の研究書類
日本語の共感覚的比喩 (ひつじ研究叢書(言語編) 第124巻)
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・フレデリック・マルテル『超大国アメリカの文化力―仏文化外交官による全米踏査レポート』岩波書店、2009。
超大国アメリカの文化力―仏文化外交官による全米踏査レポート
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これは売る気がないというよりは売る方句が間違った本で、なんとなく最近の洋画の宣伝方法とも共通するものを感じる…のだが、これ、こんなにタイトルがチャラいのに内容はフランス人のPhD持ち外交官が書いたアメリカ文化政策に関する大規模かつ綿密な調査にもとづくルポで、650ページくらいある。そんなに難解ではなく、研究者や文化政策関係者のみならず、アーティストやこの分野に関心のある初学者でも別に読めると思う。すごくいい本なのだが、このチャラいタイトルとゴツい見た目では本来この本がリーチする層の気持ちを惹きつけないのでは…
・ヘイドン・ホワイト『メタヒストリー』作品社、未刊行
そもそも出てない。ものすっごーく長い間出てない。ガンズ・アンド・ローゼズのチャイニーズ・デモクラシーですら出たのに…以下の作品社さんツイッターをごらんあれ。
めためたですね。RT @gohan_tabetain: 『メタヒストリー』が刊行しない歴史こそメタヒストリーなのだ(適当)
2015-03-28 12:05:22 via Twitter for iPhone to @gohan_tabetain
こちらから申し上げたことは一度としてございません。いや、正直恥ずかしいことですし。RT @kisadalog 定期的に「メタヒストリー」の名を出しわれわれの脳にその存在を思い起こさせ、諦念と期待という相反する感情をより強めんとする作品社アカウント氏。うぬれ。