コーンウォール(6)ヴィクトリア朝のインターネット、ポースカーノの電信博物館

 ランズエンドからバスで15分くらいのところにポースカーノ(Porthcurno、すごく発音しにくい)というビーチがある。


 海がすごくきれいなところなのだが、ここに電信博物館がある。

 電信博物館の庭には、通信を想像させるような彫刻が。

 中はこんな感じ。

 ここに電信博物館があるのは、19世紀以降、英国の主な電信用海底ケーブルが世界中から多数引かれていたからで、電信全盛期には英国最大の電信基地と電信の教育機関があったということだ。大英帝国の名残がこんなところに…

 電信チェスの試合についての記録。遠隔地同士でゲームをするのは電信のかなり初期から行われていたそうな。

 これは電信のケーブル。



 電信手の生活ぶりについての返事。電信手はポースカーノで教育を受けて世界中に派遣されたが、地元の人たちとは交流せずに暮らしていたらしい。地元の女性と親しくなったりすると邪魔されたとかいうことがパネルに書いてある。


 電信ケーブルを海に引く時につかう船の模型。

 ケーブルと、ケーブルを調整するためのお化けフックみたいな道具。現代アートかと思った…

 ここまでが上階の展示で、ここからが本番。ポースカーノには第二次世界大戦中に英国軍の電信基地として使われた地下トンネルがあり、現在はそれが保存されて博物館の一部として公開されている。
 入り口。兵士の人形が置いてあって、遠目だと怖い。

 中はこんな感じ。









 戦時中の暮らしぶり。

 電信技術者の軍属としての位置づけや、それをきっかけとしてはじまった女性の活躍についての展示。電信技術者が軍属として認められないと、つかまったりした場合にまともな捕虜として扱われずスパイとして処刑される可能性があるので、制服が導入されたそうだ。


 シンガポールで日本軍につかまり、辛酸をなめた電信技術者についての展示。

 戦後、90年代はじめくらいまでポースカーノに電信教育機関があったらしいのだが、そこでの暮らしぶりについての展示。これは60年代のパーティらしいのだが、いったいこれは…

 出口に防弾扉が。

 電信とかあまり今ではなじみのない世界だが、この電信博物館はまるでトム・スタンデージの『ヴィクトリア朝のインターネット』の世界である。スチームパンク感満載なので、とてもオススメだ。

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