今まで見た『レント』の中で一番良かった〜ブロードウェイ版『レント』

 ブロードウェイ来日版の『レント』(ウェブサイトは音が出るのでリンクしない)を見た。

 どういうわけだかここ1年半くらいで3回も『レント』を見ているのだが、このプロダクションが一番良かった。日本語版は基本日本語なのに対応できなくなると英語になるみたいな歌詞がひどくちぐはぐで違和感があったし、夏にバーミンガムで見たイギリス版はカジュアルな感じで良かったのだがイマイチ役者たち(とくにエンジェルとコリンズ)の間に「運命の恋人」らしいドラマティックさがなかった。こちらのプロダクションは、ごちゃごちゃしたセット(舞台上左側に生演奏ブースあり)は雰囲気ぴったり、歌や踊りの迫力は申し分無いと思ったし、人種的にもヴァラエティに富んだキャストでいかにもニューヨークらしい。あと、エンジェルが可愛い一方でおそらくかなり苦労人であったらしい雰囲気を漂わせていたのも良かった。そのおかげでコリンズとの燃え上がる恋がすごく劇的に見える。全体的には現在のアメリカの暗い政治的状況をちょっとにおわせつつ、クリスマスらしい希望の持てる雰囲気にまとめていたと思った。