照明がひどかった〜『スペインの悲劇 〜ヒエロニモの怒り〜』

 劇団現代古典主義によるトマス・キッドスペインの悲劇〜ヒエロニモの怒り〜』を見てきた。『スペインの悲劇』を見るのは初めてだった。

 3時間くらいある台本を60分強に刈り込んだ意欲的なプロダクション…ではあったのだが、とにかく照明プランがひどすぎてよくわからなかった。60分強の芝居なのに40分強は明らかに照明を暗くしすぎで、役者の表情などがほぼ見えない。いくら夜の場面だからって、見えなくてもいいとかいうのは悪しきリアリズムだ。しかも最後、一度明るくなってさて殺陣が…と思ったらクライマックスでなぜか照明が暗くなる。さらに、全体的に叫んだり大きな声を出して嘆いたりするのが多い演出なので、薄暗いところで表情のよくわからない人が叫んでいるだけというなんとも悲惨な見せ方の芝居になってしまっていたと思う。もうちょっと照明を考えて欲しい。