音楽が面白い~Kawai Project 番外編『リア王』リーディング公演

 Kawai Project 番外編『リア王』リーディング公演を見てきた。私の指導教員である河合祥一郎先生の新訳・演出によるもので、感染対策もあって一回の公演に15人しか入れないという非常に少人数向けの上演である。

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 『リア王』をそのままやると3時間くらいかかるのだが、これはなんと96分に縮めているものの、話はきちんと通っているし、変なカットもなく、役者陣の演技も良好で(やはりフェイスシールド付きで距離もとるということだとやりにくいのかな…と思うところも少しあったが)、キャラクターの違いなどもそれぞれわかるようになっている。リーディングとはいえある程度動きはあり、最低限の照明や音楽もあるので退屈しない(私はリーディング公演が大変苦手で、いつも起きているだけで一苦労なのだが、これはちゃんと最後まで起きて楽しめた)。とくにスポットライトの使い方などはわりと面白く、フランス王(西村荘悟)が突然コーディーリア(山﨑薫)が廃嫡されたと知って驚き、いろいろな疑念を語る序盤の台詞のところではスポットがフランス王だけに当たるようになっていて、このあたりは驚きやコーディーリアを好ましく思う気持ちがわかりやすく、良い照明の使い方だと思った。あと、生演奏の音楽が大変面白く、すぐそばで見たことのないような変わった楽器を使ってそれぞれの場面を盛り上げる音を出しており、これも非常に良かった。