面白おかしくよくまとまったコメディ~シアタークリエ『おかしな二人』

 シアタークリエでニール・サイモンおかしな二人』を見てきた。これはもともとは男性が「おかしな二人」ことオスカーとフェリックスを演じる作品なのだが、サイモン自身が改訂した女性版があり、こちらの上演である。ニール・サイモンの作品は映画は見たことあるのだが、たぶん舞台で見るのは初めてだと思う。

 

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 舞台はたぶん80年代くらいのニューヨークである。テレビ局で働いている無精なオリーブ(大地真央)の家で女性陣がトリビアクイズゲームを楽しんでいるが、仲間のひとりである主婦のフローレンス(花總まり)が来ない。なんとフローレンスは夫から離婚を切り出されて自暴自棄になっており、一騒ぎがあった後、フローレンスはオリーブの家にしばらく居候することになる。長年の親友だった2人だが、鷹揚な性格のオリーブに対してフローレンスは几帳面で清潔好きなため、なかなか調子があわず…

 セットがかなりカラフルで可愛らしい。オリーブはすごく無精で家は散らかり放題という設定なのだが、ウォルター・マッソージャック・レモンが男2人で暮らす映画版『おかしな二人』の部屋に比べると、女性であるオリーブの部屋はゴミだらけとは言っても色使いとか調度品にはちょっとこだわりがありそうな感じだし、そこは女性の部屋だからということなのかもしれない。そこにこれまた別のこだわりがあるフローレンスがやってくるわけで、そうなると単に無精と几帳面というだけではなくセンスの点でも衝突があってなかなかうまくいかない。オリーブとフローレンスは着るもののセンスも対照的で、服を見るだけで性格が相当違うのがわかるようになっている。

 全体的には笑いのツボをおさえた演出で、まとまりのあるコメディである。華のある主演2人はもちろん、脇役の女性陣もそれぞれオシャレで個性がある。個人的にはヴェラを演じていた南海キャンディーズしずちゃんこと山崎静代が、あんまり舞台慣れはしていないのだが超独特の存在感と笑いのセンスがあって面白かった。ただ、主演2人が宝塚だからっていうことで最後についているレビューは要るのかな…という気もした。こういうちょっと哀感がある感じで終わるコメディはさらっと終わるほうが私は好みである。

 

おかしな二人 [DVD]

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  • 発売日: 2015/06/10
  • メディア: DVD