もうちょっと音声をバランスよく録ってほしいような…『Plays 4 Covid 「さあ、未知の劇場の姿とともに」/「橋の上のワルツ」』(配信)

 シアターグリーン『Plays 4 Covid 「さあ、未知の劇場の姿とともに」/「橋の上のワルツ」』を配信で見た。ドイツのデーア・ローアーによるモノローグである「さあ、未知の劇場の姿とともに」と、アイルランドのソニア・ケリーによる「橋の上のワルツ」の短編2本のリーディング公演である。

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 1本目「さあ、未知の劇場の姿とともに」は新型コロナウイルス感染症を背景にした人畜共通感染症や共生などに関するモノローグで、タイムリーな作品である。台本じたいは良いと思うのだが、「宿主」をひたすら「やどぬし」と読んでいるのが気になった。感染症の話なんだから「しゅくしゅ」のほうがいいのではないかと思った。「やどぬし」でも間違いではないようだが、なんかお宿の持ち主みたいに聞こえる。

 2本目「橋の上のワルツ」はロンドンのパトニー橋で男性が女性を押したという事故に関する話である。たぶんこういう芝居が好きだという人がけっこういるのはわかるし、別に出来が悪いとは思わない…ものの、完全に個人的な趣味の問題なのだが、私はこういう複数人がいて、会話がほぼなくモノローグという構成の話が比較的苦手である。しかしながら新型コロナウイルスの流行が始まって以来、こういう芝居をたくさん見たので(インタラクションが無いので上演上のリスクが少ない)、「あー、また新型コロナでよく書かれた形式のやつか」と思ってしまって、そんなに良いと思えなかった。

 あと、これは「橋の上のワルツ」でとくにそう思ったのだが、音声をもうちょっとバランスよく録ってほしいような気がした。妙に台詞の音量が小さくなるところがあったように思う。劇場の構造のせいだろうか?