詩的だが、わりと苦手~『眠り姫』

 七里圭監督『眠り姫』を招待で見てきた。山本直樹の漫画が原作だそうで、学校で働く非常勤講師でとにかく眠たくてたまらない青地(つぐみ)の話である。ただ、この作品は大変前衛的で、人がほぼ出てこない…というか、人が会話しているところにほぼ関係ない(とはいえなんとなく関連してはいるのだが)景色などの映像がかぶさっているだけで、なんというかラジオドラマにイメージ映像がついたみたいな作品である。青地はなんとなく職場にも恋人との関係にも馴染めず、居心地がとにかく悪くて…というような内容だ。ちょっとデレク・ジャーマンっぽい詩的な映画なのだが、個人的にはこういう人間の表情とか動きが声から切り離されている作品は映画でも舞台でも私は比較的苦手である。