かなりダークな上演~ハノーファー州立オペラ『フィガロの結婚』(配信)

 ハノーファー州立オペラ『フィガロの結婚』を配信で見た。1月20日に撮影されたものである。演出はリディア・シュタイア、指揮はジュリオ・シローナである。

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 全体的にかなりダークな演出である。まず、最初があの有名な序曲ではなく、一度ロジーナ(キアンドラ・ハワース)がアルマヴィーヴァ伯爵(ジャーマン・オルベラ)を許すところから始まる。ところがまたアルマヴィーヴァ伯爵はやらかして最後に妻に許しを…ということで、このカップルはうまくいかないだろうし、ロジーナが憂鬱で絶望しているのも当たり前と思えてくる。こんなお屋敷では、結婚を控えたスザンナ(サラ・ブラディ)がとても不安そうなのも当然といったところだ。

 ただ、単に演出がダークなだけではなく、照明が暗すぎるのはあんまりいただけない。他のレビューでも言われているのだが、自宅で見るにはよくわからないくらい照明が暗い場面がわりとある。また、衣装やお化粧が豪華なわりに照明が暗いので映えないな…と思うところもけっこうある。