かなりダイジェストっぽい~『Richard3 i bara』(配信)

 『Richard3 i bara』を配信で見た。千賀多佳乃作・演出によるリチャード三世ものである。

 1時間40分くらいしかないのだが、前半はシェイクスピアでいうと『ヘンリー六世』のあたりも盛り込んでいて、正直、この長さだとかなりダイジェストっぽい。リチャードを女優(秋宮はるか)が演じていたりして『薔薇王の葬列』の影響をものすごく受けているように見えるのだが、3時間あった『薔薇王の葬列』でもちょっとダイジェストっぽかったのにこの尺ではけっこう無理だろう…と思うし、さらにそんなら『薔薇王の葬列』舞台版を見たほうがいいのではと思った。 

 また、音声のバランスがわりといろいろな面で問題である。配信のコピーライトストライクのせいで途中で音声がなくなるというのはともかく、全体的に録音のバランスは良くなく、役者の台詞が大きく聞こえるところとあまり聞こえないところの差が激しい。コピーライトストライクがないところでも、音楽にセリフが重なるところはわりと聞きづらい。また、やたらと叫んだりするところがあるのもいかにも日本の小さい劇場の芝居っぽくてあまり好きになれなかった。それから途中のダンスは要るのかな…と思った。