いくらなんでもそのウソはひどすぎないか…『弟は僕のヒーロー』(試写)

 『弟は僕のヒーロー』を試写で見た。

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 ジャック(フランチェスコ・ゲギ)の弟ジョー(ロレンツォ・シスト)はダウン症だった。しかしながら思春期を迎えたジャックは友だちに対して弟のことを隠しておきたいと思い、死んだ弟がいるとウソをついてしまう。ところがこのウソがだんだん大きくなって…

 いわゆるきょうだい児の話である。ただ、マッツァリオール一家は子どもたちにジョーの世話を押しつけているわけではなく、みんなで互いのケアをしている明るくて楽しい家庭だし、弟のジョーも良い子だ。このためジャックが弟の面倒を見させられて軽視されていて不満だとかいうよりは、だんだん思春期になったジャックがカッコつけたい、特別視されたくないみたいな気持ちで弟のことを隠しておこうとしており、そのあたりはリアルである。そういうわけで最初のほうでついたウソはかなり理解できるのだが、だんだん話が大きくなってネオナチが弟に対する反感で嫌がらせをしているというようなことをでっちあげるくだりになるとちょっといくらなんでもウソの規模がひどすぎだろう…と思ってしまった。子どもがしたことなのでまあ無思慮はしょうがないといえばしょうがないのだが、そこはけっこう引っかかってしまった。